女性の薄毛治療において、外用薬として広く用いられているのが「ミノキシジル」です。ミノキシジルは、日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも、女性の男性型脱毛症(FAGA)に対して推奨されている成分の一つです。その効果と、使用する上で知っておくべき副作用について解説します。ミノキシジルの主な効果は、「発毛促進」と「育毛」です。頭皮に塗布することで、毛包(毛根を包む組織)に直接作用し、毛母細胞の増殖を促したり、ヘアサイクルの成長期を延長させたりする働きがあると考えられています。また、血管拡張作用により頭皮の血行を促進し、毛根に必要な栄養や酸素を届けやすくすることも、発毛・育毛効果に繋がるとされています。これにより、細く弱々しくなった髪の毛を太く長く成長させ、全体のボリューム感を改善する効果が期待できます。日本では、女性向けのミノキシジル外用薬として、1%濃度のものが市販薬(リアップリジェンヌなど)として承認・販売されています。医療機関では、医師の判断により、これよりも高濃度のミノキシジルが処方されたり、他の有効成分と組み合わせた院内製剤が用いられたりすることもあります。効果を実感するまでには、個人差がありますが、通常4ヶ月から6ヶ月程度の継続使用が必要とされています。一方で、ミノキシジルには副作用の可能性もあります。最も一般的に見られるのは、「頭皮のかゆみ、発疹、赤み、フケ」といった塗布部位の局所的な皮膚症状です。これは、ミノキシジル自体や、製剤に含まれる基剤(プロピレングリコールなど)に対するアレルギー反応や刺激によるものと考えられます。また、使用開始初期に一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。これは、ヘアサイクルが正常化する過程で、古い毛髪が新しい毛髪に押し出されるために起こる現象であり、治療が効き始めているサインとも言えますが、不安な場合は医師に相談しましょう。まれに、動悸、めまい、頭痛、むくみといった全身性の副作用が報告されることもあります。これらの副作用が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けるようにしてください。ミノキシジルは効果的な治療薬の一つですが、副作用のリスクも理解した上で、医師の指導のもとで正しく使用することが大切です。
— AGA —
女性薄毛治療薬ミノキシジルの効果と副作用
2020年12月4日