私がこめかみの薄毛、いわゆるM字部分の後退を意識し始めたのは、30代半ばのことでした。最初は「気のせいかな」と思っていたのですが、鏡を見るたびに、以前よりも額が広くなっているような気がして、だんだんと深刻に悩むようになりました。特に、髪をオールバックにしたり、風が吹いたりすると、M字部分が露わになるのが気になって仕方ありませんでした。これは何とかしなければと思い、私がまず試したのは、市販の育毛剤でした。毎日欠かさず、気になるこめかみ部分に塗布し、マッサージも行いました。数ヶ月続けてみましたが、正直なところ、目に見えるほどの劇的な変化はありませんでした。抜け毛が少し減ったかな、という程度で、M字部分が改善する兆しは見えませんでした。次に試したのは、生活習慣の改善です。それまでは仕事が忙しく、食事も不規則で睡眠時間も短めでした。そこで、まずはバランスの取れた食事を心がけ、特に髪に良いとされるタンパク質や亜鉛、ビタミンB群などを意識して摂るようにしました。そして、できるだけ7時間以上の睡眠時間を確保するように努め、週末には軽い運動も始めました。生活習慣を改善してから3ヶ月ほど経った頃、髪全体に少しハリやコシが出てきたように感じました。抜け毛の量も、以前よりは気にならない程度に落ち着いてきました。しかし、やはりM字部分の薄毛が劇的に改善するということはありませんでした。そこで、最終的に私が選んだのは、AGA専門クリニックへの相談でした。医師の診断は、やはりAGA。そして、フィナステリドの内服とミノキシジル外用薬の併用療法を勧められました。治療を開始して半年ほど経った頃から、こめかみ部分に細い産毛が生えてきているのに気づきました。そして1年が経過する頃には、その産毛が徐々に太く、濃くなり、以前よりもM字部分の薄さが目立たなくなってきたのです。もちろん、完全に元通りになったわけではありませんが、見た目の印象は大きく変わり、何よりも悩みが軽減されたことが一番の収穫でした。私の体験から言えるのは、セルフケアも大切ですが、AGAのような進行性の薄毛の場合は、やはり専門医の診断と適切な治療が不可欠だということです。
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【体験談】こめかみの薄毛、私が試した改善策と結果
2021年9月3日